ワールドカップ グループ H 超攻撃的サッカーVSリアクションサッカー

【グループH】
スペイン
スイス
ホンジュラス
チリ

●スペイン
漸く、無敵艦隊の名に相応しいチームになって2年間、依然戦力を維持している。
監督交代があったにも関わらず、ここまでスムーズに戦力増強が行われてると言う事は、国としてのアイデンティティが確立しつつあると言う事だろう。
究極レベルにまでポゼッションを高められるのは、欧州レベルで見ても近年稀に見るハイレベルな中盤の構成。
中盤の底をセナ1枚で守るユーロ2008からオーソドックスな4−4−2を中心にしたものの、パスワークは変わらず、更に安定した守備力まで手に入れた。
安定した守備に加え、前線には今大会最強の2トップが無事に大会まで漕ぎ着けた今大会のスペインに、穴らしい穴は全くもって見つからない。


スペイン人はなぜ小さいのにサッカーが強いのか (SB新書)

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●スイス
前回大会は本拠地で迎えるユーロに備えた若手メンバーで挑み、見事無失点のまま決勝トーナメントに歩を進めた。
ユーロこそ振るわなかったが、チームはそのままの路線で育成され、欧州予選は見事首位通過。チームの方向性に誤りはない事が証明された。
特徴はハイプレスからの速攻と、欧州の中堅チームらしい戦術を取る。


ホンジュラス
苦戦を強いられる事は間違い無い。
それでも予選見せた得点力には面白味はある。
監督自ら格下と言う事は認めているが、開き直って攻撃体勢を取れるチームは何かを起こす可能性はある。


●チリ
名将ビエルサが3年の歳月をかけて作り上げた超攻撃的チームは、南米予選を2位通過。Za-Saコンビ以降下降線を辿るかと思われたチリを復活させた。
ステマチックな超攻撃布陣と言う、南米では珍しいスタイルだが、2002年、アルゼンチンを率いてスウェーデンに跳ね返されたように、対欧州の守備に通じるかが鍵。

■総評
超攻撃的なチームがずらりと並ぶ中、堅守速攻のスイスが異彩を放つ。相手の動きに合わせ高い位置からプレスをかけまくるスイスには恐らく相性の良いグループだろうが、スペインの中盤はそれを掻い潜れそうな気もする。
あくまでリアクションサッカーを掲げるスイスが、初戦に星を落とした時、冷静に次戦以降対処できるか。
超攻撃的サイドアタックのチリ対ハイプレスリアクションサッカーのスイス。
正反対のサッカーの2位争いは注目。


◎スペイン
○スイス