ワールドカップ グループ E サイドアタックの祭典
●オランダ
タレント豊富、攻撃力抜群、優勝候補。お決まりの言葉が並ぶ万年優勝候補。
取り分けFW、2列目の破壊力は尋常じゃなく、穴があるどころかスピード、パワー、スタミナ、技術を世界トップクラスで保持しているタレントがズラリと並ぶ。
守備陣は攻撃陣に比べると一枚落ちるのもオランダらしいが、往年のオランダに比べても更に一枚落ちるのが気掛かり。
お決まりの内紛だが、前回大会のファンバステンが腐心した成果が出たのかこの所鳴りを潜めつつある。
怪我から無事復活したファンペルシーの「カイト外し」発言もファンマルバイク監督が意に介さなかったからか、波風を起こさないままここまで来た。
勢いにさえ乗れば、とんでもない破壊力を発揮するはず。
ここに来てロッベンが怪我。久々に順調にやれているシーズンだっただけに悔やまれるが、左サイドも潤沢に揃えているだけに、致命的な欠場にはならないだろう。
●デンマーク
2002年、オルセン体制で作られたチームは完璧な組織力だったが、ただ一点、FWサンドの年齢による衰えと不調により、多くのサイドアタックが不発に終わった。
今大会はベントナーが絶好調なのが心強い。
ベテランをベンチに追いやる筈だった若手が伸び悩み、攻撃の主力は2002年からほぼ変わらないままだが、デンマークの長所は分厚い攻撃を繰り返すサイドアタック。若い勢いよりも高い戦術理解・連携の方が力を発揮する。
スウェーデン、ポルトガルが居た欧州予選死のグループを安定した力で首位通過したのは偶然ではない。
不安視される左サイドバックなどの守備に綻びが見えなければ上位躍進も狙えるチーム。
●日本
参加するのもおこがましいと思われたが、イングランド戦で何とか出場する資格は得られた印象。このチームに限って言えば、中村俊輔が出場するかどうかがまず一番のポイントになる。
出場すればたちどころに機能不全を起こし、チームは崩壊する。
比較的サイドの守備を苦手とする上に、このグループはサイドアタックを得意とするチームが多い。
普通に考えれば突破確率は限りなくゼロに近いが、分が悪い時の方が力を発揮するチームでもある。
奇跡の起こる確率は決してゼロではない。
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●カメルーン
ルグエンの元で見事に復活を遂げた。
エトオやウェボを中心に完全に攻撃寄りのチームで、アフリカネーションズカップでも完全に守備が崩壊していた。建て直しが急務ではあるが、このところの親善試合では最小失点に抑えている。
守備の要はソング。彼の出来如何が「不屈のライオン」の浮沈を左右する。
日本にとって最大の恐怖はエトオ。スピードの無い日本CBにとっては脅威の存在になるはず。
■総評
サイドアタックが売りなのにサイドの守備が弱いと言うノーガードの殴りあいのようなチームがズラリと並ぶ。
このリーグから得点王が出るかも知れない。
やはり日本が圧倒的に不利ではある。
可能性があるとすればやはりカメルーン戦。ここで勝利をもぎ取れないようでは突破は到底難しい。
突破の最有力は「予選番長」オランダ。
チームの状態が良いようであれば悲願の優勝も見えてくる。
デンマークとの一戦は、個を重視したサイド攻撃と、組織重視のサイド攻撃の対決が見られる。大会屈指の好ゲームになるか、お互いを潰しあう世紀の凡戦になるかは判らないが、このリーグの主導権を巡る争いになる事は確かだ。
個人的には最も好きな2国同士の戦い。デンマークが面白いことをしてくれるんじゃないかと期待している。
◎デンマーク
○オランダ
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