ワールドカップ、世界の主流を作るのは何処か?

ワールドカップも近付いてきました。
いつもW杯をどのように見てますか?
90年代以前は放映しておらず、確か記憶では94年も地上波で朝方決勝戦をやったのみ。
つまり殆どの地上波派は日本が出てる大会しか見てないのです。
これはサッカーに限らずスポーツの大会を楽しむにはもっともいい方法。
応援するチームが明確にあれば大抵のスポーツは楽しんで見られるもんです。

が、しかし。
今大会は日本がアレなもんでして、いや、そうでなくても他が強いのです今回。
日本だけを応援していたら結構どんよりとした空気になること請け合いの大会なのです。

そんな訳で出来るだけ、日本戦以外でもW杯を楽しむ方法を見つけてみませんか?的な意味合いで、何となく適当に情報をあげつらっていきます。

普段サッカーを見ない人にも注目度の高い大会と言う事で、出来る限りわかりやすく行ってみます。
ちなみに「文章がわかりにくい」のは持って生まれた仕様です。すみません。
もっと詳しい方、そりゃ違うよってのあったらご指摘下さい。


・・・さて。
サッカー情報誌の表紙を見たらわかるかも知れませんが、今大会の中心となっているのはスペイン。

なんと王国ブラジルでもキャプテン翼では強いドイツでも、メッシがいるアルゼンチンでもフランスでもなくスペインが文句なく優勝候補の筆頭にあがっています。とはいってもスペインのリーグはバルセロナレアルマドリードなど世界でもトップクラスなので、最強国として名前が挙がってても違和感は無いですが

ところがところが。
ワールドカップは元々20大会で7カ国しか優勝経験国がありません。
80年代以降で言うと、ブラジル・ドイツ・イタリア・フランス・アルゼンチン。
優勝どころか決勝戦すらこの5カ国のどれかの組み合わせでしか行われていない。
80年以降の7大会、優勝準優勝の計14枠がですよ。


上記以外のチームが優勝候補に挙げられる事は度々ありました。
例えば94年で言うとバルデラマアスプリージャが居たコロンビア。
2002年はフィーゴら黄金世代がそろい踏みしたポルトガル
2006年だと世界最強の一角と謳われたチェコなど。
98年は確か予選を圧倒的な強さで勝ち抜けたスペインが優勝候補。
オランダなんかも出るたびに優勝候補に挙がります。


ところがこれらのチームは優勝どころか度々グループリーグ敗退の憂き目にあうのです。
そして終わってみれば調子悪いと言われている例の5カ国のどれかがしっかりと勝ち上がる。
つまり、この5カ国の壁はとんでもなく高く仕上がってるようなのです。


それでも尚今回のスペインは圧倒的な優勝候補に推されている。
これに対抗しうるのはブラジルぐらいのものとまで言う論調もあるほど。

それは何故か。
まず単純に2年前の欧州選手権を圧倒的な強さで制したから。またクラブチームレベルでもバルセロナが猛威を振るっている。
単に勝つだけでなく、圧倒的な内容で制する。つまりは、前回ワールドカップ以後の世界のサッカーの主役を担っていたからであります。

ここで面白いのが近年主流だった身体の強さに頼ったサッカーをしてない事。
中盤には170前後の選手がずらりと揃い、めちゃくちゃ足の速いウインガーを置いている訳でもない。ウイングを置かない以外は割と古典的なものをほどよくモダン化した非常にテクニカルなサッカーをしています。

これには多少の背景があって、近年までスペインは代表選手は殆ど全て国内リーグにいる選手たちで構成されていました。国外組が主力を形成するのは2006年になってから。
そしてこの2006年あたりから漸くスペイン代表にアイデンティティが生まれ始めました。それについては選手も言及しています。

それは2004年から指揮したルイス・アラゴネス、そしてその後を継いだデルボスケの手腕によるものかも知れませんが、やはり外を知り、文化を取り入れることで改めて自分達の特性やより個々にあったレベルアップが出来るようになった結果も多分にあるハズ。
ちょうど日本で海外組が増えだした頃に強くなったように。
やっぱり人間、一度は外側から見てみるのも大事なのかも知れません。


こうしてスペインサッカーは今や世界の国々が注目するひとつのスタイルとなった訳だけども、ここでまた新たな壁が立ちはだかる。

ワールドカップは選手やチームの目標であると同時に、選手や戦術の見本市でもあったりします。
欧州選手権は比較的プロレスに近い「お互いの良い所を出し合って戦う」的な要素が見られるのに対し、ワールドカップは凡そそのような風景は見られず「美しいサッカーがリアリスティックな集団に潰される」図をしばしば見せてくれる。
先のチャンピオンズリーグは、ファンタジーなサッカーを繰り広げるはずのバルセロナを、現実的に頑なに守り続けるインテルが見事に粉砕しました。
これはW杯におけるスペイン・オランダをイタリア・ドイツが粉砕する図式そのもの。


今大会を俯瞰でみると、スペインの完成されたなテクニカルな攻撃サッカーを世界がどう封じるか、に集約されている。
そしてスペイン代表そのものとは言いませんが、近いスタイルを持っているバルセロナチャンピオンズリーグ決勝で既に封じられてしまった。

つまりこのワールドカップはこれからの数年、攻撃サッカーが世界の主流になる最後の砦なのです。欠伸の出るような試合が連発するか、壮絶な打ちあいが見られるかはスペインと、スペインの対戦相手にかかっている訳です。


ライバル国は既に優勝候補としてあらゆるチームのスカウティングに晒され、あの手この手趣向を凝らしてスペイン対策を練っている筈。
しかしそれらを目をスペインがかいくぐった時、現実的な戦い方として認識され、世界中にミニスペインが産まれ、攻撃的なサッカーが当分の間主流になるんじゃないかなと思っています。
また一方で、どのように封じ込めるか自体にも興味があったりもしますけど。


そう言う意味でもスペインから目の離せない大会なのです。
今大会は是非、スペインに注目してみてください。

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