ワールドカップ 時代は変化している


ドイツ4ー0アルゼンチン

ミュラー(前3分)
クローゼ(後23分)
フリードリヒ(後29分)
クローゼ(後44分)



ドイツ優勢の予想ではあったが、いやいやビックリ。
確かに序盤からドイツがゲームを支配していた。しかし何が起こるか解らない今大会の流れとボール。1点差が続いたしもしかして、ってのはあったが、ドイツは戦い方を変えてもドイツだった。

我慢の時間帯もアッサリ我慢してしまうと、人数をかけない攻撃でジワジワと点差を広げる。この攻撃効率が実に見事だった。
とにかく慌てない、だけど前への勢いがあってパスも正確。この試合巧者ぷりは「我々はトーナメントチームだ」と言うクローゼの自信のコメントからもみて取れる。


対するアルゼンチンは時折いい攻撃を見せるものの、フレキシブルに戦術を変えられない、と言うよりも、ない戦術を変えようもなく、ズルズルと終戦に向かって行ってしまった。
何より失点後からあからさまに焦ってしまったのが残念。


今大会で目に付くのは、ほとんどのチームがローリスクの戦いをするだけに、代替策を用意してないこと。
例えば超攻撃的チームが思いっきり守りに入ったり、少し前のオランダのようにパスサッカーからパワープレイに切り換えたり。別のチームの様に戦い方を変えて相手を戸惑わせる場面は殆ど見られなくなった。
加えてロースコア狙いのチームが増えたことで、ひとつの失点で焦り、チームのバランスを崩すチームが増えてしまった。

リスクの少ない戦い方と言うのは一見素晴らしいかも知れないが、プランが噛み合わなかった時にほんの少しづつ状況が悪化すると言うリスクももつ。

勝負事にリスクはあって当たり前。
ゼロには決してなり得ない。
ならば己の戦い方のデメリットをわかった上で、勝負に出られる方が強いんじゃないかな、とも思う。


しかしこのアルゼンチンは更に問題外だったと言えるかも知れない。
自分の活躍した80年代〜90年大会までの戦術にメッシを当てはめただけの戦術。
マラドーナは自分とメッシを重ね合わせて考えたが、その20年の間の守備戦術の進化については何も考えていなかったようだ。
そしてそれ以外には何も、本当に何も考えていなかった事も明らかになった。



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